住宅購入を考え始めると、間取り、立地、住宅会社、金利など、調べることが一気に増えます。私も物件情報を見るところから始めましたが、先に整理すべきだったのは家の条件より、購入後の家計でした。
私は現在も住宅購入を検討中です。購入後の成功談ではありません。契約する前の段階で、どの数字を確認し、家族で何を話しているかをまとめます。
先に結論
物件を決める前に、①ライフプラン、②物件価格以外の費用、③購入後に残す現金、④生活防衛資金、⑤毎月返せる額、⑥新NISA・教育費・車との両立、⑦家族が望む暮らしを整理します。住宅購入のゴールは契約ではなく、購入後も家計と暮らしを続けられることです。
1|ライフプランから住宅予算を逆算する
住宅ローンは長期間続きます。その間には、子どもの進学、車の買い替え、働き方の変化、老後準備などが重なります。現在の収入だけで返せるかを見ると、将来の支出が増える時期を見落とします。
私が30歳でライフプランを作ったときは、住宅、教育、車、新NISA、老後を年ごとに並べました。すると、「借りられる物件価格」ではなく、「ほかの予定を残して住宅へいくら使えるか」という見方へ変わりました。
年表へ置く項目
- 住宅購入予定年と頭金
- 住宅ローンの開始・終了時期
- 子どもの進学時期
- 車、家具、家電などの更新
- 積立投資を続ける金額
- 働き方や収入が変わる可能性
- 退職時期と老後生活費
未来を正確に当てることが目的ではありません。大きな支出が重なる年を見つけ、住宅価格や購入時期を調整できるようにすることが目的です。
2|物件価格と諸費用を分ける
物件価格だけを見て予算内だと判断すると、契約時や入居時の支出で現金が大きく減る可能性があります。購入時には、ローン関係費用、登記、税金、保険、仲介手数料、引っ越し、家具・家電などが発生します。
購入後も、毎月の返済以外に固定資産税、火災保険、修繕、設備交換、管理費などを考える必要があります。戸建てかマンションか、新築か中古かによって費用の種類と時期は変わります。
見積もりを3つに分ける
- 物件そのものの価格
- 契約・取得・引っ越しまでに必要な費用
- 入居後に毎年・数年ごとに発生する費用
国土交通省の住まいのリテラシー資料も、住宅には取得時と居住後の費用があることを案内しています。見積書に入っている項目だけでなく、自分の家計から支払う項目を一覧にします。
3|頭金を払った後に残す現金を決める
頭金を多く入れると借入額を減らせますが、現金も減ります。住宅購入直後は引っ越しや家具・家電などの支出が重なりやすいため、頭金の大きさだけで良し悪しを判断できません。
私の家の検討条件
住宅価格5,000万円前後、頭金1,000万円を検討上の目安にしています。ただし、1,000万円を払えるかではなく、諸費用と頭金を払った後に生活防衛資金と今後の支出を残せるかを同時に確認しています。
頭金を増やす場合、毎月返済は減っても、手元の現金不足が起きる可能性があります。反対に頭金を減らせば現金は残りますが、借入額と総返済額は増えます。どちらか一方を正解にせず、購入直後と長期の両方を見ます。
4|生活防衛資金を住宅資金と分ける
住宅用に貯めた現金と、収入減や病気に備える生活防衛資金は役割が違います。口座上で一つに見えていても、計画上は分けます。
私の家の生活費は月30万円程度で、生活防衛資金は300万円を目標にしています。住宅購入の頭金や諸費用を払うために、この300万円まで使い切らない方針です。
住宅購入直後に、収入減、車の故障、家電の買い替え、医療費などが重なる可能性はあります。そのとき、相場の状況に関係なく投資を売ることにならないよう、すぐ使える現金を残します。
金額は家庭ごとに決める
300万円は私の家の目標です。雇用形態、共働きか、家族人数、毎月の固定費、頼れる制度や家族の状況によって必要額は変わります。
5|「借りられる額」ではなく毎月返せる額を見る
金融機関の審査で借りられる金額と、家族が無理なく返し続けられる金額は同じではありません。審査では現在の年収などが中心になりますが、家計には教育費、車、旅行、積立、収入変化があります。
毎月返済だけでなく、税金、保険、修繕費を月額へならして加えます。そのうえで、教育費が増える年や収入が下がるケースでも現金が不足しないかを確認します。
私の現在年収は約950万円ですが、30歳で計画したときの将来年収想定は626万円程度でした。現在の収入が長期に続く前提だけで上限を決めず、収入が下がる場合も試します。
6|新NISA・教育費・車を同じ家計へ置く
住宅購入だけを成立させても、教育費や老後準備が止まるなら、家族全体の計画としては再検討が必要です。
現在、私は新NISAで月15万円を積み立てています。ただし、住宅購入後も同じ金額を守ることを最優先にはしません。月15万円、10万円、5万円など複数の積立額を置き、現金残高がどう変わるかを比較します。
教育費は総額だけでなく、支出が増える時期を置きます。車や住宅修繕も同じ年表に加えます。複数の支出が重なる年が見つかれば、物件価格、頭金、積立額、購入時期のいずれかを調整します。
7|家族で「家を買う目的」を共有する
数字が成立しても、家族の希望が合っていなければ購入後の満足につながりません。立地、広さ、通勤、子どもの環境、家族旅行、働き方など、何を優先するかを話します。
住宅価格を上げることで得られるものと、そのために減らす支出や時間を具体的にします。家のために家族旅行を減らすのか、通勤時間を増やすのか、積立額を下げるのか。金額だけでなく、交換するものを見えるようにします。
契約前の最終チェック
- 購入後に残る現金を説明できる
- 返済以外の住宅費を入れている
- 教育費が増える年も赤字にならない
- 収入減と積立減額のケースを試した
- 家族が住宅で実現したい暮らしを共有した
結論|契約前に、購入後の暮らしを数字で確認する
住宅購入前に整理したいのは、物件選びだけではありません。ライフプラン、諸費用、購入後の現金、生活防衛資金、返済余力、住宅以外の支出、家族の目的を確認します。
私の家の住宅価格5,000万円前後、頭金1,000万円、生活防衛資金300万円は、私たちの検討条件です。ほかの家庭の適正額ではありません。自分の収入、支出、家族の予定で、購入後も選択肢が残るかを確かめることが大切です。
参考資料
- 国土交通省「住まいにはどんな費用がかかる?」https://www.mlit.go.jp/sumai_literacy_pf/knowledge02/0005/
- 住宅金融普及協会「住宅ローンを試算してみましょう」https://www.sumai-info.com/loan-knowledge/loan_basis_trial_calculation.html
- 住宅金融普及協会「ライフプランと住宅ローン」https://www.sumai-info.com/loan-knowledge/loan_basis_lifeplan.html


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