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新NISAだけで老後資金は足りる?非課税枠と30年後の金額を確認

新NISAだけで老後資金は足りる?シミュレーションしてみた|お金の柱|Project Noe お金の柱

新NISAで積立を始めると、「このまま続ければ老後資金は足りるのか」が気になります。積立シミュレーションで将来額を出すことはできますが、その金額だけでは足りるかどうかを判断できません。

老後に必要な生活費、公的年金の見込額、退職時期、住宅ローンや家賃が残る期間は家庭ごとに異なるからです。さらに、新NISAには1人あたり1,800万円の非課税保有限度額があります。

先に結論

新NISAだけで老後資金が足りるとは一律に言えません。先に「老後の生活費-公的年金=年間不足額」を考え、その不足が何年続くかを確認します。その後で、現金、退職金、新NISAなどで補えるかを見ます。積立の将来額は答えではなく、不足額と比べる材料です。

足りるかどうかは「老後の不足額」で決まる

老後資金を考えるとき、最初に積立額や利回りを置くと、大きな運用額を作ること自体が目標になりやすくなります。必要なのは、老後の収入と支出の差を確認することです。

確認する5つの数字

  1. 老後に使いたい毎月の生活費
  2. 公的年金の見込額
  3. 住宅ローンや家賃が残る期間
  4. 退職する年齢と老後期間
  5. 現金、退職金、運用資産など準備できるお金

例えば、公的統計の平均生活費は参考になりますが、住居費、車、医療、旅行、家族への支援などは家庭ごとに違います。平均支出をそのまま自分の老後生活費にせず、現在の家計から「老後にも残る支出」「減る支出」「増える可能性がある支出」を分けます。

公的年金は、厚生労働省の公的年金シミュレーターで簡易試算できます。自分の年金記録を使って詳しく確認する場合は、日本年金機構の「ねんきんネット」を利用できます。

計算の順番

  1. 老後の年間支出を置く
  2. 年金などの年間収入を引く
  3. 不足額が続く年数を置く
  4. 現金と運用資産で補えるか確認する
  5. 住宅費や退職時期を変えて再計算する

新NISAの上限は1人1,800万円

金融庁によると、2024年からのNISAは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円です。併用した場合は年間360万円まで投資できます。

一方、生涯の非課税保有限度額は取得額ベースで1,800万円であり、そのうち成長投資枠は1,200万円までです。商品を売却した場合は、売却した商品の簿価分が翌年以降に再利用できます。

ここで年間投資枠と生涯の総枠を混同しないことが大切です。月10万円は年間120万円なので、つみたて投資枠の範囲内です。しかし15年間積み立てると元本が1,800万円になり、売却による枠の再利用がなければ、その後も同じ人が新規投資を続ける余地はありません。

よくある誤解

月10万円を30年間積み立てると元本は3,600万円です。その全額を「1人分の新NISAだけで積み立てた結果」として示すことはできません。1,800万円を超える新規投資は、課税口座や配偶者本人のNISAなど、誰のどの口座を使うか分けて考える必要があります。

月5万円と月10万円を同じ元本で比べる

1人分の非課税保有限度額1,800万円までを使う前提で、積み立てる速さを比較します。

ケース 積立方法 元本 30年後の概算
月5万円 30年間積立 1,800万円 約4,161万円
月10万円 15年間積立後、15年間保有 1,800万円 約5,650万円
差 同じ元本を早く投資した差 0円 約1,489万円

前提は、年率5%、月次積立、税金・手数料を考慮しない計算です。実際の価格は上下し、年5%で毎年一定に増えるわけではありません。

同じ元本でも、早く投資したケースの方が運用される期間が長いため、試算上の将来額は大きくなります。ただし、月10万円を優先した結果、生活防衛資金や近い将来の住宅資金が不足するなら、家計全体として適切とは限りません。

月10万円を30年間続ける場合

月10万円を30年間積み立てると、元本3,600万円、同じ年5%の仮定では約8,323万円です。しかし、1人分のNISA枠を超えます。記事でこの金額を扱う場合は、「NISA以外を含む積立」と明記しなければなりません。

年5%は予測ではなく比較条件

私は新NISAでS&P500を選んでいますが、将来も毎年5%で増えるとは考えていません。投資信託や株式には元本割れの可能性があり、短期間では大きく値下がりすることもあります。

シミュレーションの利回りは、別の積立額を同じ条件で比較するための仮定です。高い利回りを置くほど結果は大きくなりますが、その数字が実現する可能性を示すものではありません。

確認するときは、5%だけを見るのではなく、運用が伸びない期間、積立額を減らす期間、予定より早く取り崩す場合も考えます。特に老後直前の値下がりは、積立初期の値下がりとは影響が違うため、現金をどの程度持つかも一緒に決めます。

私の家では住宅・教育費と分けて考える

私の家の前提

私は33歳で、現在は新NISAへ月15万円を積み立てています。27歳頃は月2万円から始めました。生活防衛資金は300万円を目標とし、住宅購入資金と投資資金を分けています。30歳で作成した計画では50歳時点で約5,600万円を目標にしていましたが、現在の家計に合わせて見直しています。

現在の月15万円を老後まで固定する計画ではありません。住宅購入や教育費が増える時期に、現金が不足するなら10万円や5万円へ調整します。

積立額を下げると将来の運用額は小さくなります。一方、近い将来に必要な資金を投資から守り、相場が悪い時期の売却を避けやすくなります。老後だけを最大化せず、住宅、教育、今の暮らしを含めて続けられる形を探します。

結論|NISA残高ではなく、年金を含む家計全体で判断する

新NISAは老後資金を準備する有力な手段ですが、非課税口座の残高だけでは足りるか判断できません。

最初に年金見込額と老後生活費の差を確認し、住宅費が残る期間や退職時期を加えます。その不足額を、現金、退職金、新NISAなどで補えるかを見ます。積立額と利回りは、その後に比較する条件です。

年金と積立を合わせても足りるか確認する

年金見込額、老後生活費、住宅費、積立額を入れ、資金が不足する年を確認します。

老後資金を試算する

試算は将来の運用成果を保証するものではありません。

参考資料

  • 金融庁「NISAを知る」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/
  • 金融庁「資産形成の基本」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/invest/
  • 厚生労働省「公的年金シミュレーター」https://www.mhlw.go.jp/stf/kouteki_nenkin_simulator.html
  • 日本年金機構「ねんきんネットによる年金見込額試算」https://www.nenkin.go.jp/denshibenri_kojin/n_net/utilization/estimatedamount.html

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